日本で事業の経営者・管理者になるためのビザになります。
経営者≒社長業、と理解して間違いありません。管理者とは、工場や支店のトップなどです。
「であれば、カンタンにこのビザは取れそうだ」というのは、早計です。
確かに、日本で会社を作って、社長になること自体は、それほど難易度が高いものではありません。
定款を作る→定款を認証してもらう→資本金を払込む→登記する、という一連の流れをふめばいいだけです。
現在では、株式会社の資本金の制限もなくなりましたので、極端な例では、「資本金1円」でも、社長になれます。
しかし、この外国人が取得する「経営・管理」ビザを取得するためには、会社を作るだけ、では不十分なのです。
「経営・管理」ビザのための要件
ただ、会社を作って、社長につけば、このビザをとれるのであればカンタンですが、このビザにはいくつかの基本的要件があります。
本当に経営者として活動するか?
会社は、カンタンに作れます。社長にもカンタンになれます。
しかし、このようなレベルの社長には、経営管理のビザは与えられません。
本当に経営者となって、会社を今後もずっと経営していく、もしくは、その意思がある必要があります。
営業の実態がない単なるペーパーカンパニーの社長であったり、ビザを取得するためだけに便宜上社長になるということは認められない、ということです。
では、経営を行う意思があることはどのように証明したら良いでしょうか?
確認されるべき点はいくつかありますが、中でも重要なのが、その人がその事業の出資者であるか、目安として500万円以上の資本金があるか、従業員を雇用する予定があるか、などです。
尚、会社を設立することまでしなくとも、個人事業主として活動することも、ここでいう「経営」には該当しますが、個人事業主ですと、そもそも会社設立のための公的な手続きすらなく、経営者としての実態が確認しにくいため、ビザ取得は非常に難しいとされています。
事業の中身がしっかりしているか?
上の点とも、近い内容ですが、本当に事業を展開したいと考えている経営者であれば、ある程度詳細な事業計画を立てているものです。
何の商売をするか、仕入れ先はどこか、営業先はどこか、月間売上はいくらか、借り入れは必要か、経費はどのくらいかかるのか、事務所はどこに置くか…など、社長になって一旗揚げようと考える経営者が、事前に計画を立てるのは、当然です。
つまり
「なんとなく、のイメージしかないけど、儲かると思う」レベルでは、ダメです。詳細な事業計画が必要です。
事業計画の筋書きがしっかりしていなければ、事業自体が怪しい、とか、本当は社長業をしないのではないか、との疑いがもたれやすくなります。
資本金はどこから持ってきたか?
最低でも500万円の資本金が必要なレベルの事業規模であると、書きました。
結構な金額だとは思いませんか?
実は、このお金の出どころを証明することも重要なポイントです。
クリーンなお金か、違法就労でつくったお金ではないか、どうやって日本に持ってきたか…などが調べられます。
日本でのお仕事が長く、「長い生活の中で、少しずつ貯金して貯めた」というのであれば、比較的問題になりにくいですが、そうでない場合は、丁寧に説明しなければなりません。
「経営・管理」は、もっとも難易度が高いビザの一つ
事前準備の多さ、資料・書類の複雑さ、などから、「経営・管理」のビザを取得するのは難しいとされています。
少しでも悩むことがあれば、ビザ申請の専門家に相談されることをお勧めします。
在留資格手続き事務所 春野行政書士事務所