収容されている外国人をどのように取り扱うかについてが、焦点だった入管法の改正案が、廃案になったというニュースです。
改正反対の流れを後押し。収容外国人が亡くなったニュース
名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が、体調不良を訴えたにもかかわらず、適切な医療処置を受けられず放置したままにされ、お亡くなりになったという痛ましいニュースは、多くの方に衝撃を与えたことと思います。
一斉に報道が過熱してからも、入管側がビデオの公表を拒否しつづけたことも、入管の閉鎖的な側面に対する批判を大きくすることになりました。
改正の中身としては、収容されている外国人を国外退去にするための入管権限を強化するものになっていたとされています。
入管に収容されている外国人の状況
入管の権限があまりに強くなるということは、人権的見地からみても問題でしょう。
しかしながら、入管公表のデータを見てみますと、このままの状態を放置しているわけにもいかないということも理解できます。
この中で指摘されている現状の問題点として、「退去強制が決定しているにも関わらず送還されることを拒否する外国人が少なからずいる」ことがあげられており、具体的には、
のような問題があるようです。
現状のまま入管法を放置すれば、今後外国人との共生社会を目指し、外国人の受入増加を予定している日本で、収容される外国人の数は増加することが予想され、入管行政自体がパンクすることへの懸念などが背景としてあるのかもしれません。
何らかの手を加える必要はある
人権を踏みにじるような収容形態・退去ルールがあるのであれば、それは当然容認できるものではありません。
しかし一方で、日本の法律に違反した外国人が、適正な手続きに従って、退去強制の決定がされたにもかかわらず、様々な「手法」で、その実行を阻むような実態があることも事実です。
今後も引き続き日本に在留する外国人は増加の一途をたどることでしょう。
その中で、違法行為に手を染めてしまった外国人をいかに扱うかというのは非常にセンシティブな問題ですが、取り組まなければならない大きな問題となっています。