ビザの手続きを、行政書士などの専門家に頼まず、自分で書類作成からされる方がおられます。
入管のホームページなどを見ますと、ビザ毎に、最低限必要な資料は明らかにされています。
それを確認して、提出したにも関わらず、ビザが与えられないこと(不許可)があります。
なぜでしょうか?
個別具体的な案件は異なるため、入管の判断に任されている部分が多い
すべての案件が似ているようで、異なる。
これはどなたでもご納得いただけるかと思います。
入管は、提出された資料から、それぞれのビザの要件を申請者が備えているかを細かくチェックしていきますが、中には判断に困る案件が出てきます。
「確かに書類は揃っているけど、どうも内容がはっきりとしない」ケースです。
例えば、日本人と結婚したときの配偶者ビザですが、法律上は結婚していることがはっきり確認できるものの、本当の夫婦なのかどうかがよくわからないとき、はその最たる例です。
そのような場合でも、許可か不許可の回答をださなければなりません。
そして最終的には全体の資料から判断して、許可を与えるのがどうかを判断するのですが、その微妙かつ非常に大事なところは、入管に任されています。
そのため、提出した資料に不足はなくとも、許可されないことは十分有りえます。
求められている資料を出したからオーケー、ではない、ということを理解しておきましょう。
提出した資料が不足している場合
ビザ手続きのための、申請資料が不足している場合、窓口での申請時に追加の提出を求められることもありますし、それが後日になることもあります。
それらの補完提出資料の指示には、丁寧に応対し、従うことが必要です。
「当たり前だろう」と思われるかもしれませんが、提出した資料で十分に足りているのではないかという思い込みがあると、「どうして追加でそんな資料がいるのだ」と怒りが芽生え、提出せずに放置したために、許可されないことは実際に起こります。
注意しましょう。
書類相互に矛盾が生じている場合
ただ揃えて出すだけで許可される場合もあるかもしれませんが、申請するときに大事なのは、書類の中身であることに疑いはありません。
書類に何が書かれていて、それが何を証明することになるのか。それぞれのビザの要求を満たす理由になっているのか。
こういった視点が必ず必要になります。
よく見てみると、書類Aにかかれていることと、同時に出した書類Bの中身が異なるというこは、実は結構あります。
中身がよくわからない書類が混在していれば、どのような結果になりやすいかというのは明白です。
もし、基本的な書類だけでは不足している、もしくは第三者からみて誤解されうるということであるならば、何らかの追加資料を提出したり、説明文を書いたりすることも必要になるでしょう。
書類は揃えて終わりではない
ビザの手続きを自分でして、不許可になったときほど、がっかりすることはありません。
ビザを失えば、そもそも日本に滞在できる根拠がなくなり、本国に帰国せざるを得なくなるからです。
その大切なビザの許可、不許可には、入管の主観的判断(悪い意味での主観的ということではなく、審査上どうしても必要になる最終的な判断)が入ることが十分にありえますので、申請する前に十分な検討を重ねることが必要になります。
春野行政書士事務所