日系4世の「特定活動」が定住(永住)可能に

日系4世のためのビザとは

日系の方のビザとしては、日系2世の方の「日本人の配偶者等」か、日系3世の方のための「定住者」があります。

日系人の出身国が特定の国に限定されているわけではありませんが、過去に豊かさを求めて海外に移住していった日本人が多く入植していった国が有名で、ブラジルペルーなどがあります。

また、日系3世の本人以外にも、配偶者や未成年の子供は、「定住者」として日本での就労・滞在が認められます。

が、それ以降の日系、つまり4世は認められてなかったのです。日本人とのつながりがもう薄いということなのでしょうか。

そこで、2018年にこの日系4世のための「特定活動」が定められることとなりました

「特定活動」というなんでもありのジャンルに含められたのは、その目的が日本人との血縁関係を基礎にしているというよりかは、日本語を学ぶため、とか日本文化を学ぶため、というものだったからです。

そのため在留期間としても最大5年までという縛りがあります。

日系4世「特定活動」は、128人しかいない!

しかし、そもそも、このビザ、申請要件が厳しく(年齢制限や受け入れサポーター制度など)、実務上ほとんど利用されていません。22年度末時点で、全国でたったの128人…。文字通り、数えるくらいです笑。

そこで、このようなニュースです。

ブラジルやペルーなどの日系4世に「定住者」資格…無制限の日本滞在可能に、一定の日本語力が条件

日系4世の「特定活動」をとって、日本に5年継続した後に、「定住者」に変更することができるようになったというのです。定住者になれるということは、永住者への道も拓けます。

受け入れ人数目標も設定されていて、4000人だとか。

日本のことを本当に学んでもらいたいのか?

日系4世「特定活動」ですら、まだ128人しかいない状態で、さらに規定を拡充して、定住できるようにする。

果たして、これにどのような意味があるのでしょうか。

そもそもこの日系4世ビザの目的って、一体どこにあるのでしょうか?

本当に日本のことを学んでもらいたい、というのであれば、日系だけに限定しなくて良いと思います。

また、「定住者」ビザに関していえば、血縁を重視したということ以外に、日本の労働力補充という理由があったのでしょうから、仮にこのビザもそれを目的にしているというなら、そこそこ厳しい要件を課している理由が理解できません。

もしかすると、「128人しか申請数がないものをなんで作ったんだ」、というお叱り意見に対しての、修正案でしかないような気がします。でも、この改正でも増えないのではないでしょうか。

日系4世ビザ、これからどうなっていくのか、見守りたいと思います。

春野行政書士事務所

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